半沢直樹は派遣社員なのかもしれない

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つい何年か前に倍返しだ!の決めフレーズで一世風靡をしたドラマ半沢直樹。記憶に残っている人も多いと思われます。このドラマの最後はネタバレにはなりますが、半沢直樹が自分を貫き、本社から出向命令を受ける…といったものになっていました。この出向というワードに私たちが思い浮かべる事は本社から違う会社に派遣されその会社で働く、といった事だと思います。
そして派遣社員は派遣元から違う会社に派遣されその会社で働く。それでは出向を命じられた社員と派遣社員は何が違うのでしょうか??

法律の立場では?

法律の立場では同じだが同じではないとされています。労働派遣法2条を見てみると、派遣社員は派遣会社と契約しているだけであって派遣された所には指揮命令をうけて働いているだけとなっております。ここがポイントになっております。派遣社員は労働者と派遣先との指揮命令だけで働いている、いわゆる”間接雇用”を意味しております。出向側から見てみると派遣法のような法律はありませんが一般的には労働契約の二重契約説が有力で、出向先との権利義務が成り立っているものとされています。ただしここでの権利義務は出向先で地位を確立できるといったものではございません。ここからわかる通り出向の定義はあいまいなのですが、派遣法には書かれていなく出向法といった法律もないので法律の立場では同じだが同じではないとされています。

一般的な立場では?

法律的にはあいまいな区切り方をされていますが、私たちは何かと漠然とした何かからこの二つは違うと言い切れます。それは何故でしょうか? 
出向は元々企業交流や中高年のポスト不足を懸念しての移動とされていましたが最近では戦略的に“飛ばす”といた意味合も込められています。しかし
企業間の人事異動で、出向はグループ経営を支えるシステムとして成り立っています。派遣は企業の労働需要に応えるようにして成り立ってきたシステムです。これは1985年に人材の調達システムとして法律が成り立ちました。しかしリーマンショックという未曾有の大恐慌で派遣社員は派遣切りをうけて職を失い、それによって不安定な雇用の代名詞が付けられてしまいました。
このように法律的な立場からするとはっきりとした違いは明記されておらずもやもやとしたものになっていますが、一般的にはイメージで違うと分けられてしまいます。出向を命じられた社員と派遣社員は同じだが同じではないのです。半沢直樹はどこか派遣社員だが派遣社員ではない,法律的にはこう意味をとられるかもしれません。